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三陸国際芸術祭 2023 移ル ダイジェスト

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三陸国際芸術祭 2023 移ル

三陸国際芸術祭は、東⽇本⼤震災を機に三陸沿岸地域を訪れたアーティストと郷⼟芸能の出会いから2014年に始まりました。青森県八戸市から岩手県陸前高田市まで太平洋に面する全長600㎞以上を舞台に、芸能の宝庫である三陸の魅⼒を国内外に伝えながら、アジアを中⼼とした世界の芸能や現代アーティストとの交流により、持続可能な「創造的復興」の実現を目指す芸術祭。

開催時期|2023年9月〜2024年3月
開催地|三陸沿岸各地

「移ル」。それでもなお生き延びるもの

大震災による壊滅的打撃を受けても潰えぬ、三陸沿岸部の土着芸能の強さはどこから湧き上がるのだろう。日本各地で人口減少と高齢化に伴う地域の活力低下が同時多発する中、三陸では今なお、多くの集落で地元の芸能と祭りが生き延びている。それは三陸の人々の遺伝子に刻まれた、「生きる意味」の表現だからだ。だからこそ人々は震災後いち早く郷土芸能を復活させ、それが三陸復興の原動力の一つとなった。

激しく移り変わる時代。鹿踊りの頭を飾る髪のような束を「カンナガラ」と呼ぶが、その原材料となる「どろのき」は今やこの地方の山でも入手困難となった。これを8年前に植樹した子ども達が成長して舞台に加わり、地域の三世代が共に演舞する臼澤鹿子踊(うすざわししおどり)を筆頭に、ジェンダーや移住者の境界線も取り払い、新たな形態へと恐れず変容しながらも、守るべきものを守り、人々は今年も踊りをつなぐ。時を超え、「個」を超えて、三陸の人々が地域という循環の中に身を差し出し無心に踊る様を、我々は今、目撃する必要がある。そこには、未来へ向かって生き続けようとする人間の生命の強靭な熱があるからだ。

地域

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