東日本大震災でメディアによく取り上げられた「地域の絆」「お互いを思いやる心」。それはこうした生活の中で、代々受け継がれてきたもの。そこに、虎舞もありました。
お祭りなどで、家々を踊りながら歩き、そして、最後、浜で踊るとき、足が悪くなった年配の方が、虎舞を見るために歩いてきてくれる。そこは、小さな子どもから世代を越えて人が集まる場となる。
そんな光景をずっと見続けていきたい、と田畑さんは語ります。
その場所を取り囲む空気は、どこまでもあたたかく、その風景は色褪せることなく、地域の方の記憶に残るもの。
地域で受け継がれてきた門中組虎舞
田畑さんの二人の息子さんも子ども虎舞に入っています。それは、父親である田畑さんの背中を見て。「さぁ やらいやらい」と言って踊らせるのではなく、自分が踊っている姿を見て、子どもたちにも虎舞に興味を持ってもらいたい…。
親の心は地域の心につながっていきます。
虎舞は三陸沿岸に数多くありますが、門中組虎舞は、アクロバティックな動きが魅力的です。おもしろいことに、末崎町の虎舞は、ほかの地域の虎舞に比べて、動きが速い。その中でも、特に動きが激しい門中組。そんな「ダイナミックな動きを見てほしい」と言います。
アクロバティックな動き
民俗芸能とは言え、その時代に合わせて太鼓や踊りのスタイルが変わったり、また元に戻ったり、といろいろな変遷をしながら長い時間のあいだ伝えられてきました。
幾たびもの困難も乗り越えて、いま目の前で踊られる芸能。
手から手へ、大切に渡されたからこそ、文字や映像を越えた「まごころ」が芸能には秘められています。
永遠のみなと大船渡
三陸とアジアから個性豊かな芸能団体が集い、大船渡駅周辺の様々なオープンステージでの演舞を繰り広げます。演舞後、地域の芸能に触れることができます。
■ 8/11 14:30 〜 17:00「現代と芸能が交差する」
出演:赤澤鎧剣舞、仰山流笹崎鹿踊り、門中組虎舞、
さんりぐのめぐさめんこアイドル・大船トリ子、大東京舞踊団、
和太鼓+ダンスユニット<まだこばやし>
会場:須崎川ステージ、千年広場
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340年以上、南北150キロにおよぶ地域を巡り続けてきました。
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