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三陸国際芸術祭 モデルツアーレポート
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※このツアーレポートは、下記よりダウンロードいただけます。ぜひご利用ください。
青森県から岩手県にかけての三陸沿岸700kmを超える15市町村を舞台にした「三陸国際芸術祭2022 彩」が、9月から翌年3月まで開催されている。三陸国際芸術祭は、東日本大震災で大きな被害を受けた沿岸地域で2014年にスタート。アジアを中心に様々な郷土芸能団体や現代アーティストが訪れる祭典だ。
今年度は、コロナ禍でのオンライン開催などを経てやっとの本格実施として、ようやく一般の観客を入れたイベントを開催することができた。メインイベントとして、鹿踊(獅子踊り)や念仏剣舞(ねんぶつけんばい)、神楽、虎舞(とらまい)などが一堂に会する「三陸篝火芸能彩」、9月24日に大船渡駅前の野外で4時間にわたって開催された。また、初の取組みとして、9月11日には郷土芸能の若い担い手達にフォーカスした「三陸未来芸能彩」も開催し、子どもから若者達が芸能を超えて踊りをともにした。
これら芸能をはじめ三陸をぜひ堪能してもらえたらと、オリジナルモデルコースを設定。地域の歴史・文化・観光を楽しむことで、より深く芸能を知ることができる「三陸国際芸術祭」ならではの旅程を辿った。
MODEL TOUR REPORT
1 彩り豊かな芸能と出会う旅 2泊3日 2022.9.23(金・祝)-25(日) 東京⇆一関⇆大船渡コース
2 若き芸能者と出会う旅 2泊3日 2022.9.9(金)-11(日) 東京⇆八戸⇆洋野コース
3 おおつち「芸能のまち」と出会う旅 2泊3日 2022.10.14(金)-16(日) 東京⇆盛岡⇆大槌コース
彩り豊かな芸能と出会う旅 2泊3日
2022.9.23(金・祝)-25(日)
東京⇆一関⇆大船渡コース
三陸の郷土芸能が、岩手県大船渡に集結した。9月に行われた三陸国際芸術祭のイベント「三陸篝火芸能彩」は三陸地域から7団体が出演する見どころたっぷりの郷土芸能の祭典であった。会場となる大船渡は、盛岡から車で2時間、公共交通機関を使うと4時間。遠方から訪れる人にはぜひ週末を利用して近隣の地域も楽しんでほしいと3日間のモデルツアーが組まれた。台湾からの旅行客向けにガイドをしている菅沼麗雯(レイブン)さんも同行し、東北の歴史と芸能をたっぷり覗いてみる。
モデルツアーの旅程
時 間 | スケジュール | 備 考 |
---|---|---|
08:48 | 東京発ー 一ノ関駅着(11:23) | 東北新幹線やまびこ53号 盛岡行 |
● 一関 | ||
11:50 | 一ノ関駅発ー中尊寺前着(12:12) | 岩手県交通10番口イオン前沢行 |
12:15 | 中尊寺/世嬉の一酒造/京屋染物店 | 徒歩 |
15:30 | 一ノ関駅ー厳美渓前(15:50) | バス|岩手県交通 |
15:50 | 休憩|厳美渓/サハラガラスパーク | 徒歩 |
17:40 | 厳美渓前発~一ノ関駅着(18:01) | バス|岩手県交通 |
時 間 | スケジュール | 備 考 |
---|---|---|
● 一関 | ||
10:17 | 一関駅ー気仙沼着 (11:45) | バス|JR大船渡線 気仙沼方面 |
● 大船渡 | ||
11:57 | 気仙沼ー大船渡駅 (13:15) | バス|大船渡線BRT 盛行 |
13:30 | キャッセン大船渡/三陸ブルーラインプロジェクト展示/いわてアールブリュット巡回展 2022 | 徒歩 |
16:00 | 三陸国際芸術祭2022 彩 三陸篝火芸能彩 | 徒歩 |
20:30 | 閉会式/餅まき |
時 間 | スケジュール | 備 考 |
---|---|---|
● 大船渡 | ||
09:11 | 大船渡駅発ー奇跡の一本松駅着(09:51) | バス|JR大船渡線 BRT(気仙沼方面) |
● 陸前高田 | ||
10:00 | 見学|東日本大震災津波伝承館 | 奇跡の一本松(同じ敷地内) |
12:30 | 奇跡の一本松駅発ー大船渡駅着(13:15) | バス|JR大船渡線 BRT(盛方面) |
● 盛岡 | ||
13:22 | 大船渡駅発~盛岡駅着(16:31) | バス|岩手県交通 |
19:14 | 盛岡駅発ー東京駅着(21:23) | 東北新幹線はやぶさ44号 |
1日目 2022.09.23(金・祝)
一関・平泉を味わい尽くす
朝。降り立ったのは、岩手県最南部の一関市。この日は終日、一関を中心に歴史と観光を楽しむ。かつて一関から大船渡に伝わった郷土芸能もあり、翌日の「三陸篝火芸能彩」の前に土地の歴史や文化に触れることで、何百年も芸能が伝承されてきた三陸の風土を感じてみたい。
歴史観光の中心といえば、三陸の郷土芸能との関係が深い世界遺産「中尊寺」だ。平安時代後期に合戦で亡くなった霊を供養しており、現代に伝わる岩手県内の念仏剣舞や鎧剣舞もまた、源義経をはじめこの地の霊の供養を発祥としている。この日は、小雨にも関わらず老若男女でにぎわっていた。観光客にとっては一ノ関駅からバスで22分ほどで来られるのも嬉しい。ただ周辺には他にも見どころがあるので、できればレンタカーやタクシーでの移動がより楽しめそうだ。
旅といえば、大きな楽しみが郷土料理である。一関はなんといっても餅料理!一ノ関駅から徒歩15分ほどの「世嬉の一(せきのいち)酒造」は、日本酒はもちろんビールやコーラも製造している蔵元だが、レストランで味わえる「果報餅」「手延べはっと」などが美味しく楽しい。おすすめの「果報(かほう)餅膳」は9種の味の餅が並び、見た目も華やかだ。もちろんお腹がかなりいっぱいになるが、それでも箸が伸びてしまい、はしゃぎながらいつの間にか完食してしまった。敷地内にはお酒の博物館や文学館もあるほか、歴史的な建築に囲まれながら静かな中庭でお酒を味わえるところが、国内外の方からも人気だそうだ。
世嬉の一酒造近くにある「京屋染物店」にも足を運んでみる。100年以上続く染物屋としての技術と、様々なオリジナル商品を生む若い社員達のアイデアが魅力。店内には、伝統の味わいと現代的なデザインが組み合わされた洋服のほか、ハンカチや手ぬぐいなど暮らしに寄り添う染物商品が並んでいる。とくに目をひいたのが「郷土芸能支援手拭い」。岩手の郷土芸能をもとにデザインされた手ぬぐいを購入すると、一部がコロナ禍で活動の危機に瀕する伝統芸能への支援となる。コンセプトもそうだが、なによりデザインの可愛さに惹かれ、即、購入を決めた。
一関で絶対にはずせないのが、国の名勝・天然記念物の「厳美渓(げんびけい)」だ。遠くまで見通せる景色と、山並みの繊細さに吸い込まれそう。ここの「空飛ぶ「かっこうだんご」は絶対にいただきたい。木づちで板を叩くと、川向こうからだんごの入ったかごがロープを渡ってくる。お茶つきなのでその場で景色とともに味わえるのも美味しさを倍増させる。また、すぐ傍に「サハラガラスパーク」があり、約10万点もの国内外のガラス製品が展示販売されている。
2日目 2022.09.24(土)
三陸ブルータイルに願いを込めて
2日目は、本旅のメインイベントである「三陸篝火芸能彩」の開催地・大船渡市へ。BRT*で大船渡駅へ降り立つと、駅前広場では16時からのイベント会場設営準備中だ。まずはすぐ隣の「キャッセン大船渡」で腹ごしらえ。ここは飲食店や商店が並ぶ、東日本大震災の津波復興を目的とした商業エリアだ。
*BRTとは、「バス高速輸送システム(Bus Rapid Transit/バス・ラピッド・トランジット)」のこと。東日本大震災で被災したJR気仙沼線、大船渡線の復旧にあたり、線路があったところをバスの専用道にした路線。一般道に比べると渋滞もないため、スピーディに安全で便利な運航ができる。
食後の散歩がてら、海岸沿いの防潮堤へ。ここでは9月23日~10月9日に、県内の小学生らが制作した「三陸ブルーラインプロジェクト」の展示が行われていた。美術家の井上信太さんが三陸の青い海をイメージしたブルーのモザイクタイル作品で、離れたところからも、防潮堤の壁面に浮かび上がるような鮮やかなブルーが見える。
2011年3月11日、この場所が津波に飲まれてしまったことを「忘れない」ために、そして「未来に繋ぐ」ために。この地域に心を寄せる人達が、一枚一枚タイルを貼っていき、ウォールアートが完成した。海面からの高さ7.5mに、生命の樹のように地面から空に向かって伸びるデザイン。かつての震災の規模がわかる津波の高さもタイルで描かれている──「1960年チリ5.5M、1896年明治三陸6.9M、2011年東日本9.6M」、青く、爽やかささえ感じるモザイクタイルで描かれたこの文字が、東日本大震災の津波の脅威を物語っている。そして、9枚のタイルをルービックキューブのように組み合わせたいくつもの正方形が防潮堤に沿って横に何メートルも続く。ひとつとして同じ配色はない。何人もの子ども達がそれぞれ組み合わせを考えたそうだ。一人ひとり、震災の体験やその向き合い方は違う。そこにいろんな思いや個性があることで、数ではなく“人間”がいるということが感じられる。
またこの防潮堤には「いわてアール・ブリュット巡回展2022」の作品も展示され、様々な人と人がウォールアートを通して繋がっているようすが感じられた。
三陸ブルーラインプロジェクト
「伝える・つなぐ・祈る」をテーマに、東日本大震災の記憶や自然と向き合うこと、地域を超えた文化を育むことを目的とし、三陸沿岸地域をブルーのタイルで繋ぐアートプロジェクト。年間5,000人以上の子どもたちと、表現の遊び空間を伝えるポストワークショップを提言している美術家 井上信太氏を招き、大船渡市を中心とした子どもたち・地域住民とのワークショップでタイルアートを製作。その作品を、防潮堤など防災教育の重要性が高いスポットに期間限定で展示した。
地域住民だけではなく、三陸を訪れる旅行者なども含め、皆で震災の記憶や自然への意識を高めながら、地域創生を目指す。「伝える・つなぐ・祈る」をテーマに、三陸一帯の結びつきや1000年後の未来にも大切に守り継がれる三陸のシンボルとして、距離と時間を超え人々の心を繋ごうとするプログラム。
芸能三昧、大船渡に集結!
夕方16時になると、チンドン屋の音色が響いた。大船渡の「チンドン寺町一座」だ。陽気なリズムで、街は今日のメインイベントが始まるワクワク感に包まれた。
三陸沿岸地域の数ある郷土芸能が集結するイベント「三陸篝火芸能彩」。三陸の郷土芸能は、5,700㎢を超える沿岸部に数百あるとも言われ、広く分布していることと、基本的には土着性が強いため、それぞれの土地に赴かないとなかなか見ることができない。三陸沿岸地域から神楽や虎舞、七福神など7団体を集め、一度に三陸の多彩な芸能文化に触れることができるのが、今回の大きな魅力だ。野外ステージ脇には篝火が灯され、夕日の中で揺らめいている。来場者には、特典として大船渡の銘菓「かもめの玉子」が配られた。また、近隣の店で使える特典チケットが当日のリーフレットに付いているのも嬉しい。イベント終了後にどのお店に行こうか、早くも気になってしまう。
しかし少しずつ雲行きが怪しくなり、残念ながら、開幕時間には小雨が降り始めてしまった。いったんステージ隣のおおふなぽーと(大船渡市防災観光交流センター)ピロティ―へ案内されて雨をしのぐことに……。あわや中止か、と肩を落としそうになったところ、待ち望む熱気に後押しされるように、ピロティ―で開会宣言が始まった。
1団体目は、岩手県田野畑村の「菅窪鹿踊・剣舞」。出演者の一人が挨拶で「皆に見てもらえることが達成感になる」と話す。コロナ禍で活動のままならなかった芸能団体にとって、人前でお披露目できる場はとても貴重なのだ。野生の鹿のように角を振り回して勇猛果敢に踊る。鹿踊と剣舞が、素早く交互に入れ替わっていく。取り囲んでいた来場者からは大きな拍手が巻き起こった。
次は宮古市からやってきた「牛伏念仏剣舞」。子どもから大人までの男性が、太鼓や笛の囃子にのって薙刀を振りかぶる。出演者が「斬り合いが激しいところをとくに見てほしい」と紹介するように、二人一組で刃を交えるシーンは迫力!観客が円になって取り囲むように鑑賞していたため、臨場感があり、熱気がこもる。途中、緊張のせいか周囲とズレてしまった演者がいた。しかし先輩のフォローもあり堂々と踊りきり、世代を超えて伝統を繋いでいく様が伺えた。
ここで「次の演目から本来の会場である野外ステージで行う」とアナウンスが入る。夕立の終わりを告げるように、空には虹がかかっていた。
薄暗くなりつつあるなか、ステージ横に篝火が灯される。ぼうっと恵比寿様の白い面が浮かびあがり、幻想的な雰囲気を醸し出すのは、普代村「鵜鳥神楽」。恵比寿様の見せ場である鯛を釣るシーンでは、最前列に座って楽しそうに見ていた戸田公明市長(当時)がステージに呼ばれ、鯛を釣る役を演じ、客席は大いに盛り上がった。
釜石市の「南部藩壽松院年行司支配太神楽」は、獅子舞のダイナミックな動きに圧倒される。すっかり暗くなった闇に浮かぶ獅子舞は、今にも襲いかかりそうで、本当に生きているようだった。
イベントのメインビジュアルにもなっている、陸前高田市の「喜多七福神舞」は、人口減少やコロナによって活気を失っていたが、前年の三陸国際芸術祭2021にて舞を披露したことがきっかけで再建の意志を固めた。もとは子どもだけで行う五穀豊穣・大漁祈願の舞だが、今回は大人達が踊る。七福神が順番に前へ出て、ひょうきんに踊る様子が楽しく、軽快な拍子はなかなか耳から離れないほど心地よかった。
迫力満点な踊りを披露したのは、唯一の虎舞である大槌町の「大槌町虎舞協議会」。二頭の虎がステージを飛んで跳ねて駆け回り、客席に向かって大口を開けると観客からは興奮の声が上がる。
最後は、地元・大船渡市「仰山流笹崎鹿踊」だ。開始前から客席には声援が飛ぶ。2.8メートルもある「ささら」を背負い、太鼓のリズムでテンポ良く足を踏む姿は、野山を駆ける鹿の群れのようだ。8頭の鹿が円陣を組んでくるくると踊る軽快な踊りは、クライマックスを大いに盛り上げた。
最後、紅白の餅投げでめでたい熱気のなか、5時間近くにおよぶ「三陸篝火芸能彩」は終演した。
三陸篝火(かがりび)芸能彩
日時:2022年9月24日(土) 16:30~21:00
会場:大船渡市防災観光交流センターおおふなぽーと多目的広場(岩手県大船渡市)
数ある三陸沿岸の郷土芸能から、彩り豊かな7団体が篝火のなか演舞を披露する芸能見本市(ショーケース)プログラム。北は岩手県普代村、南は陸前高田市までの芸能を一度に楽しめる芸能祭は本芸術祭だけ。また、会場では本芸術祭で長年交流してきたインドネシアのジャワ舞踊の貴重な作品も上映。
はるか昔から三陸に脈々と続いてきた芸能の数々は、豊作祈願の農民の予祝や、鎮魂、神への奉納として人々の生活に深く根付き、大切に受け継がれている唯一無二の芸術。日本が世界に誇る文化の一つである。
3日目 2022.09.25(日)
忘れえぬ、震災のあの日
最終日、BRTに乗って陸前高田市の「奇跡の一本松駅」へ。駅の前の真新しい建物は、「東日本大震災津波伝承館 いわて TSUNAMI メモリアル」だ。2019年9月にオープンし、津波や地震について、歴史、被災の記録、当時の被災者がどう感じどのように行動したのか、政府など支援機関がどのように対応したのか、それらの成果や検証、そして全国から届いた声などが、膨大な記録とともに展示されている。もし未来に自分が被災したならばどう行動すればいいのか具体的なイメージが浮かびやすい展示には、「二度とこの悲しみを繰り返さないために」という願いが、切実な形となって込められていた。
この「東日本大震災津波伝承館」から一直線に、南へ向かって道が伸びる。その先の階段をのぼると、やっと一面に広がる海が見えた。海に向かって花が供えられており、右手には津波に耐えた「奇跡の一本松」が立つ。この日は小雨が降る中でも、幾人もの人が入れ替わり立ち替わり海岸沿いまでやってきて、静かに海を眺めていた。雨が静かにいろんな音をかき消す。「あの日」も雪が降っていた。
こうして観光、芸能、震災と盛りだくさんな大船渡の旅は終わりを迎えた。世界遺産や津波の跡など、土地に刻まれた歴史の足跡を知ることで、三陸各地から集まった郷土芸能の鑑賞体験がよりいっそう深く溶け込むような2泊3日だった。
ツアーレポーターコメント
日本は台湾からの観光客も多く、大都市などを訪れることもありますが、私の目には都会はどこも似た風景に映ります。しかしここ三陸は、独自の文化を持ち静かに過ごすことができるので、「日本に来た」という実感を持つことができます。
今回の「三陸篝火芸能彩」で三陸の多彩な郷土芸能を間近で鑑賞したことは、「日本の伝統文化を身近に体感する」という今までにない旅の価値をもたらしてくれました。また、近代的な舞台作品を見るのとは違い、夕闇の中、篝火に照らされた郷土芸能の演舞やお囃子はとても幻想的でした。それはまさに古来より三陸地域の人々が伝えてきた芸能の姿をそのまま追体験しているようで、これだけでも大船渡を訪れる価値はあると感じました。
まだコロナ禍で海外からの観光客数は回復していませんが、今後インバウンドにおいて、他のイベントと一線を画す「三陸篝火芸能彩」のような企画があれば、外国人の目にはとても魅力的に映るのではないでしょうか。
2 若き芸能者と出会う旅 2泊3日 2022.9.9(金)-11(日) 東京⇆八戸⇆洋野コース
3 おおつち「芸能のまち」と出会う旅 2泊3日 2022.10.14(金)-16(日) 東京⇆盛岡⇆大槌コース