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三陸国際芸術祭 モデルツアーレポート

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若き芸能者と出会う旅 2泊3日

2022.9.9(金)-11(日)
東京⇆八戸⇆洋野コース

今回の三陸国際芸術祭では、初の試みが行われた。それが、地元の若手芸能者や高校生を中心にした“郷土芸能の担い手”が集う2日間のイベントだ。9月10日の「芸能彩生ミーティング」では芸能に関わる若者たちの交流をはかり、11日の「三陸未来芸能彩」では5団体が演舞を披露する。そこにはプロの和太鼓アーティストも参加したことで、若い芸能者たちは大いに刺激になったと話していた。

 開催地となる洋野町(ひろのちょう)は岩手県沿岸の最北端に位置し、青森県に隣接しているため、最寄りの駅は八戸となる。洋野町でのイベントに参加する前に、八戸の文化と食を味わい、青森~岩手と県をまたいで三陸の幸・自然・歴史を味わう2泊3日の旅を堪能した。


モデルツアーの旅程

1日目 2022.09.9 (金)

時 間スケジュール備 考
09:08東京駅発ー 八戸駅着東北新幹線
● 八戸
13:00八食センター八食センター専用バス
15:30八戸市美術館/ブックセンター/はっち/マチニハ
18:00みろく横丁

2日目 2022.09.10(土)

時 間スケジュール備 考
● 八戸
9:37八戸駅発ー鮫駅着 JR八戸線 久慈方面
10 : 00蕪嶋神社/八戸水産科学館マリエント
11:30種差海岸インフォメーションセンター
12:30種差海岸トレッキング
● 洋野
15:01種差海岸駅発ー種市駅着JR八戸線 久慈方面
16 :00芸能彩生ミーティング
(洋野町文化会館セシリアホール)
19 :02種市駅発―本八戸駅着 JR 八戸線八戸方面

3日目 2022.09.11(日)

時 間スケジュール備 考
● 八戸
06:13本八戸駅発ー陸奥湊駅着JR八戸線 久慈方面
07:40館鼻岸壁朝市
●洋野
09:44陸奥湊駅発ー種市駅着JR八戸線久慈方面
10:00ひろの水産会館ウニーク/
はまなす亭
13:00三陸未来芸能祭
セシリアホール
17:44種市駅発ー八戸駅着JR八戸線八戸方面
19:06八戸駅発ー東京駅着東北新幹線

1日目 2022.09.9 (金)

岩手県最北への玄関口・青森県八戸

 八戸駅前のロータリーに、イカや魚のイラストが描かれたひときわカラフルなバスが停車している。「八食センター行き」のバスだ。「八食センター」とは、とれたての魚が並ぶ鮮魚店のほか、たこ焼きなどのお店、乾物店、茶屋、お菓子屋、お土産など「八戸地場産品のすべてがそろっている!」という大きな市場だ。季節ごとの新鮮な食材が並び、牡蠣やホタテなどを七厘で焼くこともでき、せんべい汁などの郷土料理も食べられる、食道楽の楽園のようだ。八戸駅からバス代100円でこの楽園に来られるなんて、お得すぎる!

八戸市美術館 ©️Daici Ano

 お腹を満たしたら、八戸の中心街へ。見どころが徒歩圏内にぎゅっと集まっているので、歩いて散策してみる。市役所近くの「八戸市美術館」は、2021年11月にオープンした。扉をくぐるとまだ新しい匂いが残り、高く白い大空間は心地が良い。展示やイベントに合わせて、可動式の棚やカーテン等で空間を自由に変えられる。また、トイレもいずれはジェンダーフリーとなることを意識した設計になっており、様々な人が交わる可能性が詰まった建築が魅力的だ。

八戸ポータルミュージアム はっち

 商店街の方へ赴くと、ぜひ立ち寄りたいのが「八戸ポータルミュージアム はっち」。八戸のことを知らなくても、ここを訪れるといろんなことがわかる文化観光交流施設だ。1階にはイベントスペースや地元の作家や各観光地へ誘う紹介展示、2・3階は山海の幸や農産物、祭り、朝市、産業、芸能、スポーツなどあらゆる八戸の魅力が展示されている。その展示空間も、和を活かしたデザインで、半個室になっていたり、トンネルのようになっていたりと、展示を見るのに視界が変わるのも楽しい。さらに4階は地元作家の起業支援などを目的としたものづくりスタジオや製品販売スペースがある。5階はスタジオになっており、アーティストが創作をしたり宿泊したりできる。ロビーでは高校生が勉強出来るスペースなど、いろんな文化が交差しているミュージアムだ。

八戸ブックセンター

 はっちの向かいにあるガラス張りの屋根付き広場「八戸まちなか広場 マチニワ」も、八戸の文化的な場所だ。若者達が座っておしゃべりをしていたり、イベントなどの多目的スペースとしても利用されている。マチニワを抜けると、「八戸ブックセンター」がある。入口を入ると、本屋なのに珈琲の香りが漂ってくる。小さなカフェスペースがあり、ゆっくり本を読むこともできるのだ。落ち着ける場所はそこだけではない。店内のいたるところに様々なデザインのソファーがあり、ハンモック席、畳敷きの三浦哲郎部屋など、お気に入りの場所を見つけられそうだ。ここで手に取り気に入った本は、きっと特別な本になる予感がする。さらには展示などのイベントも定期的に行われているほか、執筆専用のカンヅメブースがあり出版するまでの手伝いやワークショップもしているそうだ。しかも、なんと全国でも珍しいことに市が運営している。はっちも、マチニワも、ブックセンターも、市が文化を楽しむことを後押ししていて、何とも魅力的な街なので、ゆっくりと滞在したくなる。

みろく横丁

 日が暮れてくると、暖かな灯りのともる横丁へと惹かれてしまう。八戸には昭和の風情漂う8つの横丁が残っており、小ぶりな居酒屋、ラーメン屋、スナック、エスニック料理店などが並ぶ。「みろく横丁」「たぬき小路」「ハーモニカ横町」「長横町れんさ街」……18時くらいからすでにほろ酔いの大人達が、テーブルをはさんで盛り上がっている。屋台をはしごしているらしき人たちが、すれ違いざまに「こんばんは」「ひさしぶり!」と挨拶を交わしている光景も。人のあたたかさ溢れる、地元の空気にどっぷりと浸っているうちに、居心地の良い夜は更けていった。



 彩り豊かな芸能と出会う旅 2泊3日 2022.9.23(金・祝)-25(日) 東京⇆一関⇆大船渡コース

3 おおつち「芸能のまち」と出会う旅  2泊3日 2022.10.14(金)-16(日) 東京⇆盛岡⇆大槌コース

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