浪板虎舞
浪板虎舞(なみいたとらまい)
宮城県気仙沼市浪板/郷土芸能・虎舞(梯子虎舞)
浪板虎舞保存会
浪板虎舞は、江戸時代享保3年(1718年)頃、江戸通いの地元船が消息を絶ち家人が大島亀山の山頂に松を植え供養しました。
あるとき、諦めきれない家人が亀山に登ったところ、トラネコが松の根元で踊っており、遠く水平線に消息を絶っていた船が姿を現しました。
このトラネコの踊りが虎舞の発祥といわれています。
「虎は千里行って千里帰る」という故事にちなみ、元来の悪魔祓いや厄除けの願いとともに,海洋に出漁している家人の無事帰還と大漁を祈願する芸能として伝承され、大小の太鼓と笛による囃子にのせて、虎がトラバカシと称されるあやし手に導かれながら,高い梯子に登り曲芸化した振る舞いなど芸態に特色があり、平成18年7月、気仙沼市無形民俗文化財に指定されています。
浪板虎舞は、昭和41年に保存会を結成し、郷土芸能の保存と継承に努めています。
会員構成は浪板一区、二区の全戸で構成し、当該地区と縁のある人以外の参加は認めていません。
かつては、浪板地区内でも一部の長男に限定されていましたが,若年人口の減少などもあり現在の資格要件に変更しました。
子どもたちは小学生になると自動的に入会し、保護者と一緒に練習や演技披露を行っています。
東日本大震災で、地域を離れざるを得ない会員もおりますが、行事の開催時には震災以前と同様に参集し、演技はもちろんのこと、衣装や道具の補修、梯子の組立に携わるなど、保存会は地域の結びつきや活動において中心的な役割を担っています。