2016年のテーマ
三陸国際芸術祭2014・2015の二回の実施を通して、この東北三陸の郷土芸能が、世界に誇れる質と多様性、そして何よりも団体数の多さに驚きました。
この芸術祭を少なくとも2020年まで継続し、様々な郷土芸能を日本全国、ひいては世界に紹介すると共に、芸能を通して被災地間そしてアジアとのネットワークを培っていくことで、文化芸能を軸とした文化産業を生み出し、被災地の復興の一助とします。
2020年の東京オリンピック年には文化の祭典のオープニングイベントとして、被災地がひとつの会場として取り上げられ、地元の芸能を紹介するだけではなく、アジアと共存する日本ということを、芸能を通して世界にアピール出来たらと考えています。
また、芸術祭を開催することと並行して、被災地の各地にアーティスト・イン・レジデンスの場所を開拓し、世界中のアーティストが滞在して、地域と連動した作品制作を行えるような環境つくりを行いたいと考えています。
2020年以降、東北が、日本とアジアそして世界との芸能・芸術のハブ機能を持つ“芸術特区”として、世界の人々が集う地域になることを目指します。
企画趣旨
三陸国際芸術祭2014-2015では、文化芸術による復興と新たな文化芸術の創出を目的に、三陸沿岸の風土と歴史から生まれた、生活に寄り添った庶民の芸術である郷土芸能の紹介、三陸の地域の人々の人生を礼賛した舞台作品の制作・発表などを行ないました。
そのことで、郷土芸能の魅力の再発見と内外への周知を果たし、また表現活動が地域のコミュニティをより強固にし豊かな生活を築くことを、実践を踏まえ提唱することが出来ました。
2016年度は上記の目的の一層の推進を図るため、以下をテーマに芸術祭を実施します。
東北三陸で、アジア芸能の未来と出会う
宮城から青森までの三陸沿岸地域。私たちは縄文時代からこの地に定住し魚を採って暮らしてきました。
そして、自然と背中合わせの独自の文化を生み出してきました。
この地域には、その地形と営みとが相まって古くから継承されている稀有な芸能がたくさん存在します。
しかし視点を変え、アジアを広く見渡してみると、このように生活と密接に絡み合いながら地域社会の軸として機能している芸能には、それぞれに多様な背景があることがはっきりします。
伝統的な芸能は、時代とともにその形や意味を常に変化させてもいるのです。
そこで本年は、伝統的な芸能を今日的な文脈で行っているユニークな芸能団体を南方(環太平洋)と北方(大陸)から招き、「芸能とは何か?」を再考してみたいと思います。
被災の逆境や、共同体のアイデンティティなどといった社会的課題と芸能の関わりをテーマに、パフォーマンスやフォーラムの形で密な交流を図りつつ、刺激を与え合う場を作ります。
そして、文化芸術に対する新たな視点で、芸能の継承や地域の活性と、アジアと日本の新しい結びつきを創造していきます。
プロデューサー
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佐東範一 (JCDN)
プログラムディレクター
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統括/前川十之朗(みんなのしるし合同会社)
郷土芸能/阿部武司(東北文化財映像研究所)
海外芸能/武藤大祐(舞踊評論)
コーディネーター
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郷土芸能/小岩秀太郎 (公益社団法人全日本郷土芸能協会)
郷土芸能/古水力 (大船渡市郷土芸能協会副会長)
コミュニティダンス/神前沙織 (JCDN)
八戸会場/今川和佳子 (アーツグラウンド東北、PROA LLC.)
フェスティバルマネージャー
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千田優太(アーツグラウンド東北、ARCT)
フェスティバルアドバイザー
- 稲田奈緒美 (舞踊研究・批評)
加藤種男 (公益社団法人企業メセナ協議会専務理事)
吉本光宏 (ニッセイ基礎研究所研究理事)
※あいうえお順