100年後のまつりの支度
100年後のまつりの支度とは
2015年より、宮城県気仙沼市唐桑町を舞台にスタートした美術家・斉藤道有とダンサー・栩秋太洋の共同プロジェクトです。その土地と暮らし、まつりや芸能について取材とフィールドワークを行い、今の暮らしをあらためて見つめ、未来にまつりを創造する試みです。
舞台となる気仙沼市唐桑町は北上山系の延長にあり、北西より南東へ細長く海に突き出したリアス式の半島で、その名は唐からの船が難船し、その積み荷であった桑に由来すると云われています。
唐桑は中小の入り江を漁港とした集落が多くあり、三陸の鰹漁発祥地であり、遠洋マグロ漁業の最盛期には「唐桑御殿」と呼ばれる大きな入母屋づくりの家々が多く建てられました。また、漁労文化と結びついた多くの郷土芸能が存在し、現在に引き継がれています。
昨年のプロジェクトでは唐桑町鮪立(しびたち)を中心に、文献に残る1300年前の史実を手がかりにフィールドワークをおこない、その過程で発見された風景やまなざし、身体感覚をもとに儀礼的様式のツアーを制作しました。
2年目となる今回は「舟に音を積み込む。」というタイトルのもと、「音」と「記憶」をテーマに昨年のツアー行程から音を拾い、身の回りにあるものを使ってその音を再生させる楽器をつくり、その楽器をつかった「おまつりの山車」を「気仙沼みなとまつり」のパレードにて披露する予定です。