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坂本七ツ物保存会 さかもとななつものほぞんかい
岩手県二戸市
- 芸能団体
- 2024
起源は、坂上田村麻呂の命を受けた文屋(ふんやの)綿(わた)麻呂(まろ)が蝦夷(えみし)の長・伊(い)加古(かこ)を平定した戦勝を祝う踊りだと言われています。戦いに勝利した兵士たちの歓喜が、当地に根付いた兵や村人によって受け継がれ、七ッ物として発展したのです。
七ツ物は、子供たちが中心となって踊り、裁付(たっつけ)袴に襦袢、浴衣を身につけ、勇壮かつ華やかに舞います。杵、先棒、槍、長刀、鉞(まさかり)、弓、太刀の七つの道具(武器)を持った踊り手たちが円陣を組み、道具ごとに異なる前踊りと後踊りを披露します。円陣の中心では、杵を持った踊り手が「ア・ヤッサーレー」(万歳が訛(なま)った言葉)と掛け声と共に杵を高々と打ち上げ、曲芸のような技を披露します。
この踊りは、かつて敵の首級を槍に吊るし、勝どきを上げる様を表していたといわれています。しかし、天保年間の大凶作に際し、豊作を祈願するために杵を用いるようになったと伝えられ、現在までその伝統が受け継がれています。