大槌虎舞

大槌虎舞(おおづちとらまい)

岩手県上閉伊郡大槌町/郷土芸能:虎舞
大槌虎舞協議会

東大五月祭2

「虎舞」は、岩手県沿岸地方(特に山田町、大槌町、釜石市)に古くから伝わる郷土芸能の一つで、由来には諸説ありますが、ここでは代表的なものを紹介いたします。
江戸時代中期に三陸随一の豪商として名高い前川善兵衛助友(通称 吉里吉里善兵衛)が、江戸へ海産物を廻船で流通し富を得ていました。
その船に乗り組んでいた者たちが、当時、江戸で大好評だった、近松門左衛門作の浄瑠璃「国姓爺合戦」を観劇し、その一場面の「千里ケ竹」(和唐内の大虎退治)に感動し、これを故郷に帰って創作舞踊とし、笛や太鼓の囃子も賑やかに神に奉納したと伝えられております。

東大五月祭

当会は平成の代になり、大槌町郷土芸能保存団体連合会の虎舞部門から発展し結成され、「虎舞」を伝承する町内にある四団体(安渡、向川原、陸中弁天、大槌城山)から構成
されております。
設立趣旨は、団体間の交流による技術の向上、相互扶助を目的とした親睦団体を目指したものであり、各種イベントでは、混成メンバーにより県内外に大槌町の「虎舞」の良さをアピールしております。

大槌町は、古くから郷土芸能が盛んな土地柄であり、年に一度のお祭りでは町をあげての盛り上がりをみせます。
そのような環境下では、何らしかの郷土芸能に加入し、お祭りに参加することは、ごく自然の流れであり、後世へ伝えることも当然の責務と認識しております。
しかしながら、昨今の出生率の低下に伴う若年層の減少、大震災による人口減少により、将来への郷土芸能の伝承への厳しい状況が懸念されております。
その対処策として、町、学校、幼稚園、保育園などの機関の協力を得て、今後の郷土芸能を担う若い世代に「虎舞」の魅力を感じさせる努力などをし、難局を乗り切ろうと思っております。