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パミールの花

パミールの花

そのかみ、大雨が沛然と止み間もなく降り続き、世界の表が厚く水に覆われたことがあるそうです。柩のような小さな方舟を波間に浮かべ、いのちを繋いだ人たちがいた。水が引いた時、小舟は山間の岩場に残された、と仄聞します。
それが、今この地上に満つるいのちたちの濫觴と伝えられます。私たちは小さな偶然が積み重なって出会っています。
願わくば、この一場の歌舞音曲が、過ぎ越し方を振り返りつつ今日の邂逅を喜び合い、そして希望を謳い上げるものであってほしい。
峩々とした山塊の奥懐で人知れずひっそり咲く潔い花のかんばせを、思います。手のひらに捧げ持つ「パミールの花」が、全てのいのちへの、魂たちへのささやかな供華となることを祈念します。

パミールの花、
太田直史(おおたなおひと、舞踏)
美炎(Miho、馬頭琴)
前田仁(まえだひとし、パーカッション)