バリ 交流編

    2017年4月8日に行われた
    『被災地の郷土芸能をアジアへ派遣するプログラム報告会』の発言より

2017年2月28日(火)

GA250 ジョグジャカルタ8:25 → デンパサール10:15
11:30空港出発 〜 12:30頃ウブド到着
昼食、(横道合流)14:30 ホテルへチェックイン

スタッフ:伊藤寛(映像記録)、武藤大祐(ディレクター)、前川十之朗
現地スタッフ:倉澤智世美
松川直史、佐藤光春、金野昭博、近江啓吾、鈴木昭司、横道毅(バリより)
宿泊先:アグン・ラカ・リゾート&ヴィラ Agung Raka Resort and Villa
住所: Jl. Pengosekan, Ubud, Gianyar, Bali 80571 Indonesia
休憩後、17:30車2台で出発、19:10スマラ・ラティ定期公演会場到着 ウブド クトゥ村寺院

2017年2月28日(火)19:30〜

芸能ジャンル:ガムラン・バリ舞踊
団体名:スマラ・ラティ Gamelan Semara Ratih
名前:アナッ・アグン・グデ・アノム・プトゥラ Anak Agung Gede Anom Putra

「スマラ・ラティ」は、バリ島の男性舞踊を代表する「バリス 戦士の踊り」の踊り手として、幼少時より優れた才能を発揮し、「アノム・バリス」として、バリ島のみならず世界的に著名な アナッ・アグン・グデ・アノム・プトゥラ Anak Agung Gede Anom Putra氏による、ガムランとバリ舞踊のグループ。1989年精鋭メンバーを結集し創設し、現在も精力的に活動、幾人もの著名な演奏家がグループ所属を経験している。

ガムラン・スマラ・ラティ Gamelan Semara Ratihhttp://www.semararatih.org/
※終演後に主宰のアノム氏に以下の点などについて簡単にお話しいただく 15分程度

  1. ウブド村に住む人々にとって、バリ芸能の観光公演はどんな役割や意味を持っているか
  2. 定期公演の維持の方法、その苦労
  3. 地域コミュニティとは別に活動する意味、その苦労

2017年2月29日(水)8:20〜

8:20 ミニバス1台で出発(9名+倉澤)
8:50 バトゥブラン Batubulan(月の石)村 プラ・プセ(村の寺院)到着
9:00〜 ガムラン楽団による前奏曲開始〜バロン・ダンス 鑑賞
芸能ジャンル:ガムラン・バリ舞踊
団体名:バトゥブラン Batubulan(月の石)村 楽団
名前:イ・マデ・マハルディカ

午前9:00前、会場に到着しました。
会場はバトゥブラン村の村内の寺院に設けられた劇場です。
前夜に鑑賞した舞踊は色々なところから選りすぐられた人々で構成されたプロの団体でしたが、この楽団のメンバーはこの村の人々です。劇場のすぐ脇には田園が広がる農村で、農業の傍ら、この公演を行っています。

今回鑑賞したのはバロンダンスで、この獅子がバロンです。
バロンダンスは元々祭礼の際に神様に捧げる踊りとして踊られてきたもので、各村々でバロンを保有されており、まさに大船渡の権現様のような存在です。
バリでは、バロンは良いものを象徴する聖獣で、あとから登場しますが、バロンと対を成す悪いものの象徴としてランダという魔女がおり、バロンダンスはバロンとランダが繰り広げる永遠の戦いを表現しています。

この門のところに現れたのがランダです。
バロンが男、ランダが女、また若者と年寄、善と悪、昼と夜、薬と病、動物と人という表裏一体のものをそれぞれ表しており、どちらか一方では成り立たないこの世界の理を示すもので、このダンスの結末もバロンとランダの勝負の決着はつかず、永遠に続くというものになっています。

私個人の感想ですが、このガムランという音楽もそうした昼と夜、善と悪といった表裏一体となった混沌としたこの世界の成り立ちをよく表現している様に感じました。

また、ランダに呪術をかけられた人々が自分自身の体を傷つけるようになってしまったところ、バロンがこの人たちの悪魔祓いを行うシーンがあります。権現様の悪魔祓いと共通するものであり、歴史上どこかで枝分かれしたのでしょうが、その繋がりを感じることができました。

この後10:30頃から、この団体の代表で、バリでも有名なバロンダンスの踊り手でもあるデドさんにお話しを伺いました。先ほどのバロンの頭(かしら)を踊っていた方です。
この公演は1963年に始めたそうです。
それまで、村では農業と木彫り等の収入しかなかったそうです。
公演を始めた当初は、お客さんが2人~3人しか入らないというような日もありましたが、徐々に増えて来て、現在では本業と同じくらい村民にとって大切なものになっているとのことです。
バリではバロンダンスといえばバドゥブラン村と言われるようになっており、村の人々もそれを誇りにしているそうです。
楽団のメンバーは100人ほどおり、バロンの踊り手もデドさんの他に3人いるそうで、一番若い人は28歳で、順調に後継者が育成されており、デドさんが体調不良のような場合でも別の踊り手に代わることで対応できるようにしているそうです。
配役は初めから固定されており、変わることはないそうです。
公演をはじめた頃の周知活動としては、チラシをホテルやレストランに配ったりということを行ったとのことでした。

次に、実際にバロンを被らせてもらいました。
衣装の重さは相当なもので、頭と肩で衣装を支えながら両手で面を操作します。

この後、楽団のメンバーの方の家(うち)とデドさんの家(うち)を見せていただきました。
現地の方の家の敷地内を見せていただくという機会は中々あるものではないとので、どのような住まいに住んでいるのかというのを実際に見ることができて、ありがたかったです。

2017年2月29日(水)11:30〜

11:30 車で移動、昼食〜13:30頃 ホテルへ、休憩、演舞の装束など準備 18:00 ホテル出発、18:30〜ウブド プンゴセカン地区 Pengosekan ガムラン「スダマニ Cudamani」スタジオ 到着 大船渡の郷土芸能団体実演含む (笹崎鹿踊、永浜鹿踊、石橋剣舞篠笛)
芸能ジャンル:ガムラン・バリ舞踊
団体名:スダマニ Cudamani
名前:デワ・ライ氏
スダマニは、バリ島を代表するガムラン楽団として世界的に有名。古典からコンテンポラリーなオリジナル作品まで縦横無尽にこなす。おとな、男の子2グループ、女の子、と4チームが島内で活発に奉納・イベント出演し、おとなのグループは海外公演多数。

レポート:鈴木昭司

ここはバリのウブドって地域で、芸術の村として世界中のアーティストや旅行者が訪れるような非常に有名な場所です。
その中でもガムランといえばスダマニ。
スダマニといえばデワ兄弟という、素晴らしいガムラン奏者であり素晴らしい踊り手の兄弟が運営しています。
地域に密着したガムランチームの中では、世界でも凄いと言われてるような団体で、この稽古場所も有名です。
で、そこは実は今見たサンギガン村が交流の最後だったんですけども
バリの2日目の夜に3時間ほどいったのでどうしても編集が今日の朝まで5分とかにならず、ちょっと長いので皆様、ゆったり映像を楽しみながら最後のスダマニの交流を見ていただきたいと思います。

入ったのは18時ちょっと前ですね
約15分くらいで陽が落ちていきました。
鹿踊がくるということで鹿踊を待っててくれたっていう子供いろいろ引き出しがあるんだなと。

このグループはどちらかというと少年の部ですね
少年の部、青年の部、非常にプロに近いベテランの部
みたいな感じに分かれてるんですけども少年の部に青年の部が入ってリズムを統率している身体を使って教えてくって意味では三陸と変わらないと思います。
顔見てるだけで楽しくなっちゃうんですね。
演奏も踊りも本当に好きでまず踊る前にガムランを習得しないと踊れないというのが、このバリの舞踊なんですごくリズムとみなさんが音楽的な時間を共有するということで子供の時からここまで邁進しているということもあり、非常にリズム、あるいはタイムがいいです。
小学低学年の子が、ヘッドカウベル的なパートを担っていますがもっとも大事なパートなんですけども一番ちっちゃい子にリードさせていて。
それを必ずデワライさんがサポートし、指揮・指導してるんですね

これから日本人、大船渡チームの発表です
なんか笹崎の二人は幼馴染なのでいつも、一緒に太鼓を叩いて息がぴったり合うのでみていて、なんかうらやましかったですね。

これがもうコンテンポラリーダンスもやるくらいの中堅のソリストのダンサーです。たしか、24歳くらいだったと。
いつも練習前に息を合わせるためのケチャックダンスをやってくれたんですね
ケチャックダンスは、みんなでリズムや息を合わせるためにやるんですね。
三陸でいえば、口唱歌ですね。
バリのケチャック・口唱歌をちょっと聞いてください。

これからデワライさんがちょっと芸能のことを語ろういってくれて、こっから一時間くらい本当は喋ったんですけどもちょっとそこをかいつまんでここでは、鹿踊のことをほめてます。

※スダマニ主宰、デワ・ブラタ氏はアメリカ滞在中のため、現在、弟のデワ・ライ氏が運営中。
デワ・ライ氏は、父がそうであったようにクンダン(太鼓)奏者として幼少時からその才能を発揮し、数々の舞台をこなし、ガムラン作曲家としても活躍している。現在、スダマニのほか、島内の複数の村やグループに請われガムランを指導、海外公演にも多数出演、国立芸術大学デンパサール校卒。2016年三陸国際芸術祭「シシの系譜」東京公演に、クンダン(太鼓)奏者として出演。

19:00 交流プログラム開始
スダマニ代表は、デワ・ライ Dewa Rai氏

第1部:スダマニ・子どもグループによるガムラン演奏と舞踊(20分)
・器楽曲
・舞踊「キジャン・クンチャナ(黄金の鹿の踊り)」

第2部:日本・三陸地域の郷土芸能 演舞(30分)
・篠笛演奏 石橋鎧剣舞
・永浜鹿踊り
・笹崎鹿踊

<休憩 15分>

第3部:スダマニ・若者世代グループによるガムラン演奏と舞踊(35分)
・器楽曲(コンテンポラリー作品)演奏
・伝統舞踊「クビャール・ドゥドゥック(男性による優雅な舞)」
・宮廷舞踊「レゴン・ラッサムより〜チョンドン(侍女の踊り)」
  先生役の若手の踊り手と、女の子たちの踊り(習う様子を見せてもらう)
・仮面舞踊「トペン・クラス(大臣の仮面の踊り)」
・ケチャを楽隊のみなさんが演じる
  ※21:00 武藤さん出発、空港へ、帰国。

第4部:デワ・ライ氏による話と質疑応答、ディスカッション(40分)
・「スダマニ」というグループは、このプンゴセカン地区でどんな役割を果たしているか
・スダマニの世代別グループのシステムについて
・新作を創作しがら、古典を学び演じ続けるのはなぜか
・世代を繋いでいくことの意義と、その難しさについて
  22:00頃 終了〜食事へ

2017年3月2日(木) バリ3日目

8:45
ミニバス1台で出発(8名+倉澤)
9:30
シンガパドゥ Singapadu(獅子の使い)村 到着
大船渡の郷土芸能団体実演 改装のお祝いのため  (笹崎鹿踊、永浜鹿踊)
チョコルダ・アリット・アルタワン Cokorda Alit Artawan(通称「チョ・アリ」氏)スタジオにて、仮面舞踊「トペン Topeng」ワークショップ(2時間)

芸能ジャンル:トペン Topeng(仮面舞踊)
名前:チョコルダ・アリット・アルタワン Cokorda Alit Artawan
◎簡単なデモンストレーションと話を交えながら、実際に、所作や踊りの型などを習って体験。

  • 身体の動きや呼吸についての感じ方、身体の使い方など
  • キャラクターによる演じ分け
  • 仮面の意味、在り方、制作方法など
  • 伝承方法について、教え方、習い方
  • 踊ってみよう!!!
  • チョ・アリ氏の住むシンガパドゥ村は、王宮を中心に優れた古典芸能がいくつも存在し、現在もたくさんの芸能家、芸術家が暮らしています。王家の血をひく彼自身も、そうした家系に生まれ、特に祖父は、舞踊、音楽、彫刻などマルチな才能を持った素晴らしい芸術家としてバリ島中から尊敬されていました。
    彼自身、仮面舞踊、特に、「ジャウック(魔物)」と「ハヌマン(猿の王)」というキャラクターを得意としており、それと同時に画家、バロンのような被り物を必要とするキャラクターの装束制作デザイナーとしても活躍しています。国立芸術大学ではデザイン講師として教鞭をとっています。2014年三陸国際芸術祭に、仮面舞踊「ジャウック」の踊り手・ワークショップ講師として来日し参加しました。

    13:30
    ホテルへ、15:30出発
    15:45
    ウブド サンギンガン村 到着
    16:00
    大船渡の郷土芸能団体実演含 (笹崎鹿踊、永浜鹿踊、石橋剣舞篠笛、横道紙芝居)
    サンギンガン村 寺院の集会場にて 小学校のこどもたちに紙芝居と鹿踊り等、三陸の芸能の実演

    ◎通訳・アテンド倉澤の友人で小学校教諭をしている方の協力で、村の子どもたちを集めてくれた。
    ◎2011年3月11日の東北の津波についてと、日本の三陸地域とその芸能について、子どもたちにわかりやすく簡単に説明しながら進めた。
    17:00 終了、ホテルへ
    17:30ホテル着、休憩
    19:00 車で移動し、夕食へ
    ※20:30 金野、横道 ウブド出発、空港へ、帰国

    2017年3月3日(木) バリ4日目

    10:00
    ホテルチェックアウト ワゴン車2台で出発(6名+倉澤)
    午前
    ウブド周辺の寺院へ、宗教・文化・環境などを知るための視察〜昼食〜午後 自由時間
    ※空港へはワゴン車1台のみ。
    22:00 空港 着
    00:50 発 GA80

    2017年3月4日(金) バリ5日目

    8:20 成田空港 着